今年の夏も、本気の暑さがやってきました。
朝の空気はまだ少しひんやりしていても、太陽が昇れば一気に気温が上がります。
そんな中、今は「樹脂加工」という作業をしています。
網にコーティングを
樹脂加工とは、海苔の網に専用の樹脂をコーティングする作業です。
これをしておくと、海の上に長く置いても汚れにくくなり、
乾いた時もムラなく、きれいに仕上がります。
海苔網を使い始めるのは、シーズンが本格化する10月後半ごろ。
そのときには、これらの網を実際に海へ張り出すことになります。
だからこそ、今のうちにしっかり準備しておくのが大切なんです。
作業は、朝の6時にはスタート。
というのも、日が高くなればなるほど気温がぐんぐん上がってくるからです。
この日も、朝の気温は22.4℃だったのに

9時前には34.4℃まで跳ね上がっていました

寒冷紗(かんれいしゃ)という布を張って影を作っているのですが、
よくよく考えてみたら、影の中で作業しているのは親父さんで、
日向の方を担当しているのは、いつも自分。
特に決めたわけでもないのに、なんとなくそうなってました。
自然とできる分担
「今日は暑くなりそうやな」
「ホントにね~雲一つなかばい、やばいね」
そんな風に、朝のうちに交わす会話はほんの少し。
でも、その少しだけのやりとりで、作業のペースがなんとなく決まっていきます。
親父さんがいる日陰側は、風が通ればわりと涼しい。
熊さんが担当する日向側は、じりじりと照り返しが強く、体力も削られます。
それでも、「日向は暑かけん、交代しよい」なんてこともなく、
気がつけばいつもこの形に落ち着いているのが、なんだかおかしくて……。
でも、よくよく思い出してみたら、昔は親父さんが日向で作業していたんですよね。
そう思うと、負けられないなって、ちょっとだけ気合いが入るんです。
青空と山の稜線
最近の九州は高気圧が張り出していて、空気がすごく澄んでいます。
遠くの山の稜線まで、くっきりと見える日が続いていて、
空を見上げると、雲ひとつない見事な青空が広がっていました。
朝はまだ風がやさしくて、草の匂いや土の温もりがふわっと漂ってくる感じ。
でも、昼前になると空気が一変して、蝉の声だけが響き渡るような静けさになります。
そんな中、黙々と作業していると、汗がポタポタと落ちてきて、
「ああ、暑い、夏だなぁ」と思わず独り呟いてしまうような日でした
今日もまた、日陰と日向で、静かに夏が過ぎていきます
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