親子で支柱立ての日々。暑さの中で迎える海苔シーズン

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岸寄りから始まる支柱立て

9月に入り、いよいよ支柱立ての作業が始まりました。最初は岸寄りの漁場からです。
ここでは直径40ミリほどの細めの支柱を使い、長さも8.5~9メートルほど。けれども体がまだ慣れていない事もあって、なかなかの重労働です。
今年は去年以上に暑さが厳しく、体に堪えます。

支柱は両端に基準となるものを立て、その間にヒモを張り、目印として黄色の印が付いています。その印を目掛けて支柱を立てていくのですが、風が強いとヒモがたわんでしまい、気づかぬうちに列全体が弧を描いてしまうことも。
一本一本は地味な作業ですが、終わってから「あれま~」となることも少なくありません。

有明海は潮の満ち引きの差が日本一大きい海です。その中で人力だけで支柱を立てていくのは大変です。経験がものを言います。
沖に進むと直径は最大57ミリ、長さは12メートルとさらに大きくなり、流れの速い場所では体にかかる負担も一段と増します。
まだ始まったばかりですが、冬に向けた大事な準備が始まったと感じています。

親父さんと役割分担して挑む支柱立て作業

作業は、熊さんが支柱を立て、親父さんが船を操縦する役割分担が多いです。
船は海の上に浮かんでいるため、陸のように正確に幅寄せすることができません。だいたい近い位置まで寄せれればよしとし、お互いに妥協しながら進めています。

今年の親父さんは、空調服を導入しました。「だいぶいいな」と言いながら操船しています。
前方に取り付けられた簡易操縦桿を操作する姿は、やはり頼もしいです。
操船に関しては「自分の方が上手いかも?」なんて思うこともありますが(笑)
支柱立てではまだまだ親父さんに及びません。立てた支柱の美しさや落ち着いた作業ぶりを見ていると、経験の差を痛感します。

それでも、こうして親父さんと息を合わせながら仕事をしていると、不思議と作業がはかどります。
親父さんの背中を見ながら、自分も少しずつ成長していきたいと思います。

9月の海に残る夏の暑さ

朝は夜明け前ギリギリに漁場へ出れば、日の出までの間涼しさを感じられます。けれども太陽が昇ると、海面の反射で一気に暑さが襲ってきます。帽子をかぶっていても顔が焼けるようで、まさに炎天下の作業です
潮の満ち引きに合わせて出港するため、どうしても日の出後に作業する日もあり、最初から暑さとの戦いになることもあります。

海の上は、風があれば一点して涼しく快適です。以前、夕立の前触れで冷たい風が吹いた時は、寒さで思わずクシャミが出るほどでした。海面を見れば遠くから近づいてくる夕立の気配も分かり、自然の迫力に思わず身が引き締まります。

陸に比べて建物などの障害物が無い分、海は風を強く感じます。程よい風なら助かりますが、強すぎれば作業にならない。
自然の恵みと厳しさ、その両方を肌で感じる毎日です。

これからの海苔シーズンに向けて

親父さんの操船に合わせて支柱を立てていく中で、まだまだ自分の未熟さを感じる場面もあります。それでも一本一本の支柱が、冬に収穫する海苔へつながっていると思うと、不思議と力が湧いてきます。親父さんの背中を追いながら、これからの海苔シーズンに向けて、親子で一緒に頑張っていきたいと思います。

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