干潟を歩いて、網を引いて。6月の海と親父との暮らし

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干潟を歩いて、網を引いて

有明海(ありあけかい)は、日本でもめずらしい「干潟(ひがた)」が広がる海です。
潮が引くと、海の水がスーッと遠くまでなくなって、とても広い、砂と泥が混じった地面が顔を出します。

熊さん達は、その干潟の上を歩いて、有明海再生事業の一環として、二枚貝の養殖のための施設を作っていきます。

施設といっても、大きな機械とかじゃなくて、ロープや杭を使って、全部手作業。
地面はやわらかく、ベチャベチャとしていて、足をとられそうになりながら一つひとつ杭を打っていきます。

同じように、地味な作業がもうひとつあります。

海苔の養殖の為の網を準備です。

空き地に、網を干すための枠組み(施設)を広げて、その上に一枚ずつ、網を二人で持って広げていきます。

網の長さは、約15メートル。

網には向きがあるため、往復で次々と干していくことができません。
一枚干すたびに、また元の場所に戻って、次の網を取りに行きます。

この日は、なんと280往復しました!

親父と二人で、言葉も少なく黙々とやる作業。

でも、そんな時間の中でも、ちょっとした笑いや気づきがあります。

親父の人間ドックと安心

最近、親父が人間ドックに行きました。

親父もいい年なので、体には気をつけてほしいなと思っていたところ。

結果は「特に問題なし」とのことで、ほっとひと安心です。

昔から口数が少なくて、あまり体調のことも言わない親父だけど、
海の仕事では、今でも熊さんより速く動くことがあります。

「熱かね~ちと休憩する?」と言っても、

「まだよか」と言って、また網をかけに行く。

そうやって並んで仕事をしていると、やっぱり親父の体が心配になる。
夏場は熱中症もあるし、あまり無理せんでほしいと思うところもある。
でも同時に、「まだ負けてられん!」と思う自分もいる。

結局、どこまで行っても親父は背中で語るタイプだし、

熊さんはその背中を追いかけながら、今もこうして一緒に海に立っているんだなと感じます

梅雨の暑さと畑の野菜たち

梅雨(つゆ)の季節に入って、毎日むしむしと蒸し暑い日が続いています。

晴れたと思ったら空気はジメジメしていて、汗が止まらない。
気がつけば、腕や首がまっ赤に焼けていて、夜になるとヒリヒリしてきます。

そんな中、仕事から帰ってきて小さな畑を見に行くのが最近の楽しみ。

初めて育てているので、植物の知識はないけれど、
サツマイモのツルが少しずつ伸びてきて、唐辛子にも小さな白い花がついてました。

育て方は正直よくわかっていないけど、それでも目に見えて成長していってるのを見ると、なんだか嬉しくなります
畑にしゃがんで草を抜いたり、水をやったりしていると、さっきまでの汗と日焼けのヒリヒリも、なんだか落ち着いてくるような気がします。

海と違って、土の上ではゆっくりと育っていく。
そんな静かな時間が、今の熊さんにはちょうどいいのかもしれません。

六月の暮らしの中で

潮が引いた海の上を歩いて、貝の施設を作ったり、ジメジメとした梅雨空の下、何百往復と網を引いて歩いたり。

昔ながらの手作業で、なかなかたいへんです。

親父は、そんな作業でも、やっぱり熊さんより一歩先をいく存在です。
人間ドックに行ったときは少し心配したけど、元気そうで安心しました。

暑くて汗だくになった日も、仕事の帰りに畑を見ると、
サツマイモのツルが伸びていたり、唐辛子に白い花が咲いていたり。
少しずつでも育っているのを見ると、うれしくなります。

海も畑も、自然の中で少しずつ動いていく。
熊さんたちの暮らしも、そんなふうに進んでいきます。

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