落下傘(らっかさん)と夏の小屋仕事

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落下傘を結びつける日

夏の間に、秋に向けた準備を少しずつ始まります。
この日やっていたのは、「浮かせ竹」と呼ばれる、水に浮くプラスチック製の棒に、落下傘を結びつける作業。

落下傘とは、海苔の種殻たねがら)を入れておく袋のようなもの。
秋の採苗の時に、種殻が潮に流されないように、しっかりと浮かせ竹に固定しておく必要があります。

作業自体は単純で、紐を引っ張って結びつけるだけなんですが……..
これが地味に力がいる。しかも、浮かせ竹は一日に100本近く。
素手でやると紐で指が切れてしまうので、指サックを付けながら、汗だくで進めています。

昔はこの落下傘を一つずつ手で結んでいたそうですが、今はバインダーの紐に5個ずつ付いたものを買って使っています。
少しは効率的になりましたが、結ぶ手間は相変わらず。今日も小屋の中で、静かに格闘しています。

昔は三人でやってたなぁ

この作業、昔は親父と母と、三人でやっていたことを思い出します。

落下傘を一つずつ手で結んでいた頃は、母も一緒になって紐を結んでいました。
今のようにバインダーで少し楽になってからは、浮かせ竹を雑巾で拭いていてくれてました。

暑がりの人だったから、「暑い暑い」って口ぐせのようになっていて、いつも扇風機の前に陣取っていました。
熊さんが「山があって、風がこんよ」なんて文句を言うと、「だって暑かやんね」って笑って返されてたもんです。

なんてことのない日常だったけど、今となっては懐かしい夏の風景です。
今は親父とふたり、小屋の中で黙々と作業する日が続いています。

今年の夏は、とにかく暑い

今年の夏は、ひときわ暑さが厳しい気がします。
朝から風が吹いても、それはまるで熱風のよう。小屋の中には、むわっとした空気がこもります。
作業を始める前から、もう汗がにじんでくるほどです。

浮かせ竹を運んで、拭いて、落下傘を付ける
それだけで、汗がぽたぽたと落ちるほど。飲み物の減りは早いし、凍らせたネッククーラーはすぐ溶けてしまうけど、手放せません。

毎年暑いとはいえ、今年はなんだかレベルが違います。
この調子だと、秋までに何度シャツを着替えることになるんだろう….
そんなことを考えながら今日も黙々と作業していました。

地味だけど、ちゃんと積み重ねている

地味だけど、こうした準備こそが、あとで効いてくる大事な仕事。
指に力を込めて結ぶたびに、母の「暑い暑い」という声が、ふと頭に浮かびます。

今は親父とふたり、小屋の中で黙々と作業していますが、
あの頃の風景は、今もどこかに残っているような気がします。

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