台風に備えて船を下ろし、親父さんと買い物へ

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四国旅行から帰ってきて、楽しかった時間の余韻も少しずつ薄れ、またいつもの生活に戻ってきました。

旅行中は景色を見たり、美味しいものを食べたりしていましたが、帰ってくるとやっぱり気になるのは天気予報です。

ちょうど台風が近づいてくるという予報が出ていました。

幸いにも今回の台風は、私たちの地域へ大きな影響を与えるような進路ではなさそうでしたが、それでも船のことだけは気になります。

海の仕事をしていると、「たぶん大丈夫だろう」が一番怖いので、念のため船を台座から下ろすことにしました。

私たちの船は、普段は港の近くで陸に上げてあります。

船の前側は高さを調整できる車載用のウマを二つ置き、その上に船を支えるための木を橋渡ししています。
後ろ側はコンクリートブロックを三段積み、その上に大きな角材を渡して支えています。

こうして説明すると簡単そうですが、実際には船の重さを支えながら安定させる必要があるので、なかなか神経を使います。

陸に上げていると安全そうに見えますが、台風の時は少し事情が変わります。

船が高い位置にあると、強い風が船の下を抜けてしまいます。
すると風を受ける面積が増えてしまい、思った以上に船が動いたり、最悪の場合は転がったりすることもあります。

そこで今回は台座から下ろし、支えていた木を地面に直接置く形にしました。

こうすると船の下に風が入り込みにくくなり、安定しやすくなります。

「そこまでしなくても大丈夫だったんじゃない?」

と思われるかもしれません。

実際、今回の台風はそこまで警戒する必要はありませんでした。

進路も少し離れていましたし、有明海も小潮の時期だったからです。

ただ、有明海では風だけでなく高潮も怖い存在です。

有明海は日本でも特に潮の満ち引きが大きい海です。

そのため台風による低気圧と大潮の満潮が重なると、予想以上に潮位が上がることがあります。

昔は高潮によって船が流され、そのまま海へ持って行かれたという話も聞きます。

今回は小潮だったので、その心配はほとんどありませんでした。

それでも船は仕事道具です。

漁師にとって船が無くなるというのは、農家さんがトラクターを失うようなものかもしれません。

少し大袈裟なくらいがちょうどいい。

そんな気持ちで船を下ろしました。

おかげで夜も安心して眠ることができました。

結果的には風もそれほど強くなく、備えは空振りだったかもしれません。

それでも何も起こらなかったのなら、それが一番です。

「備えあれば憂いなし」

昔の人は本当に良い言葉を残したなと思います。

台風の影響で雨はそこそこ降りました。

おそらく五ミリほどだったと思いますが、それでも田んぼの畦道はぐちゃぐちゃです。

歩くたびに長靴に土がまとわりつきます。

重くなった長靴を引きずりながら歩き、家に帰るたびに洗うのはなかなか面倒でした。

風よりも長靴との戦いの方が大変だったかもしれません。

そんなわけで、この日は仕事を休みにしました。

せっかくなので親父さんと一緒に買い物へ行くことに。

目的は暑さ対策です。

ここ数年の夏は本当に暑くなりました。

海苔のシーズンはまだ先ですが、夏の準備は今のうちからしておかなければなりません。

作業服売り場へ行くと、親父さんはあれこれ服を見ながら、

「どげんやろうか?」

と聞いてきます。

私はサイズ表を見たり、棚を探したりしながら手伝っていました。

親父さんは体格が大きいので、欲しいサイズがすぐ見つからないこともあります。

あっちを探し、こっちを探し。

気が付けば結構な時間が経っていました。

こういう買い物は一人で行くより二人の方が楽しいですね。

普段は仕事の話ばかりですが、買い物の時はまた違った時間が流れます。

私も新しい暑さ対策グッズを買いました。

売り場に「新商品!」と書かれていた暑さ対策用のポンチョです。

正直なところ、どのくらい効果があるのかはまだ分かりません。

ただ、新商品という言葉を見ると少し試してみたくなります。

今年の夏がどれほど暑くなるか分かりませんが、活躍してくれることを期待しています。

買い物の後は少し離れた業務用のお店へ行きました。

冷凍のエビやフライドポテトなどをまとめ買いするためです。

店内を見て回るだけでも面白く、気が付けば二時間近く経っていました。

そこで活躍したのが親父さんのクーラーボックスです。

釣り好きの人なら知っている有名メーカーの物らしく、かなりしっかりした作りになっています。

冷凍食品をたくさん入れていたのですが、二時間経ってもほとんど溶けていませんでした。

私はその性能に感心して、

「すげーな」

と思いながら車へ積み込んでいました。

ただ、どうやら私は少し雑に扱っていたようです。

ポン、と置いたり、少しぶつけたりしていたからでしょうか。

親父さんが何とも言えない微妙な顔をしていました。

後から考えると、あのクーラーボックスは結構高かったのかもしれません。

次からはもう少し丁寧に扱おうと思います。

台風は大きな被害もなく通り過ぎました。

船も無事。

買い物もできました。

特別な出来事はなかったかもしれませんが、こういう何気ない日常も大切な時間だなと思います。

これから本格的な夏が始まります。

今回買った暑さ対策ポンチョが活躍するのか、それとも期待外れなのか。

それはまた実際に使ってみてからのお楽しみです。

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